- SDGsは国連が定めた「持続可能な開発目標」。2024年の日本の達成度ランキングは18位
- 2020年、共同ピーアール株式会社総合研究所(PR総研)が制定。「み(3)んなでSDGsの17目標を考えよう」の語呂合わせ
- 広報施策では工夫が必要
SDGsのおさらい
日本語で「持続可能な開発目標」、Sustainable Development Goals(SDGs)。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」のもと、2016年1月1日に正式にスタートしました。「すべての人々にとってよりよい、持続可能な未来を築く」ための17の目標を2030年までに達成すると掲げています。

- 目的
- 現在の人々のニーズを満たしつつ
- 将来の世代のニーズも確保する
- 必要な取り組み
- 人間と地球のために
- みんなで協力して
- 包摂的で持続可能、強い未来を作る
- 三つの柱
- 経済成長
- 社会的包摂(誰も取り残さない)
- 環境保護
これより前、国連は2015年までの達成を目指したミレニアム開発目標(MDGs)を定めていました。MDGsを土台としたSDGsは、経済成長と貧困撲滅を目指しつつ、気候変動と環境保護への対処を両立させる狙いがあります。
日本の達成度は世界ランキング18位(2024年)
国際的な研究団体「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)によると、日本のSDGs達成度は167カ国中18位。2017年の11位をピークに順位を下げ、2023年には過去最低の21位でしたが、少し盛り返した格好です。
画像出所:The UN Sustainable Development Solutions Network (SDSN).(2024)Sustainable Development Report. p.252(サステナブル・ディベロップメント・レポート、持続可能な開発報告書)https://files.unsdsn.org/sustainable-development-report-2024.pdf
上の図の下半分が17目標の達成度を示すタイル。達成度で色分けされています。
緑「達成済み」
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
黄「課題が残る」
1.貧困をなくそう
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
6.安全な水とトイレを世界中に
16.平和と公正をすべての人に
橙「大きな課題がある」
2.飢餓をゼロに
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
17.パートナーシップで目標を達成しよう
赤「深刻な課題がある」
5.ジェンダー平等を実現しよう
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
SDSNは元国連事務総長の潘基文氏とジェフリー・サックス米コロンビア大学教授により2012年に設立されました。SDGsとパリ協定を実施するための統合的なアプローチを推進しています。2016年から報告書を発表しています。
広報に必要な工夫
SDGsに取り組む企業は多く、本来の趣旨から言えば歓迎すべきことです。ただ、「我が社もSDGsに取り組んでいます!」というだけでは、メディアに取り上げてもらったり、SNSで話題にしてもらったりするのはかなり難しいと言わざるを得ません。
理由は、SDGsの取り組み自体が似たり寄ったりで、ニュース性(新奇性や話題性)に乏しいから。まして、一般読者にとって「意識高い系の話」と受け止められると敬遠され、PVを見込めないのでメディアも記事化に消極的になってしまいます。
そこで、ニュース性を盛り込む工夫が必要になってきます。例をご紹介しましょう。
具体的な数値目標を掲げる
先ほど紹介したように、17ある目標のうち、日本の達成度格付けが最低だったものが五つありました。下図の赤い丸の部分です(目標5は省略)。これらに重点的に取り組めば、総合順位の改善に役立つはずです。

画像出所:同前(p.253)
例えば、目標12。最初の行にある「Electric Waste」(電子ごみ)は2019年時点で1人あたり20.4kg。この数値を引き合いに自社で電子ごみの回収キャンペーンを行い、2025年で◯tを目指す……などと目標を掲げると分かりやすいでしょう。
SDGsとはあえて言わない
「SDGs」をあえて押し出さないのも一案です。例えば以下の記事では、一言も「SDGs」と触れていませんが、廃棄物をアップサイクルした好例です。

画像出所:TBS「鉛筆の削りカスで売り上げ1,000万!?発想の転換が生んだヒット商品とは」『坂上&指原のつぶれない店』(2019年8月23日放送)
ストーリーを作る
東京都・神奈川県を中心に美容室などを展開するディアローグホールディングス。会長はYouTubeの人気チャンネル「令和の虎」に登場する井口智明氏です。グループ企業で、ヘアケア商品を製造するのがディアローグコスメティクス。

井口氏は長野県木曽町出身で、実業家として成功した後もふるさとの将来を案じていました。その結果誕生したのが「幾重」というヘアケア商品。木曽町で製造しており、障害者も参画しています。
「令和の虎」に出るような上げ潮の社長とSDGs。なぜ?と思える部分をフックに、商品誕生の経緯を丁寧に掘り下げた物語を広報しました(詳しくはこちら)。
大手PRプラットフォームのPRタイムズはストーリー形式の広報を推奨しています。ディアローグコスメティクスのストーリーは一時期PV1位を獲得していました。
画像出所:PRタイムズSTORY(2024年11月29日アクセス)
どんな製品・サービスにも誕生の物語があるはず。制作に時間はかかりますが、社員にも企業の理念やビジョンを共有できるのでまとめておくことをおすすめします。
「異例の取り組み」をする
長野県の医療機器商社、中日本メディカルリンク。クリニックや病院で使う医療機器の卸売会社です。障害者も製造に参加するヘアケア商品「幾重」を販売し始めました。

参考:中日本メディカルリンク「大正8年創業の老舗が長野県からエシカル消費に乗り出す理由 <新プロジェクト開始のお知らせ>」アットプレス(2024年11月21日付)
医療機器ではないヘアケア商品を取り扱えるよう、定款を書き換えたのだそうです。プレスリリースのタイトルには「異例」とあります。メディアが「取材したい」と思う言葉の一つですよ。
また、もし自社が老舗といえるのなら、全面に出しましょう。伝統のある企業が何か新しいことをする、というだけで話題性が底上げされるからです。
なお、これら2社のプレスリリースはUNICLAが支援しました。気になる方はお問い合わせください。またKindle書籍『自社サイトをコストで終わらせないために(62)』の中で詳しく経緯を紹介しています。Unlimited対象ですので、ぜひお手に取って読んでみてください。