プレスリリース、増えましたよね。
最大手、PRタイムズによると1日に1000件以上配信されるそうです。提携メディアに自動で転載される便利さから、利用する企業も増えています。
他にもサービスはありますし、メディアによっては1日に数百件のリリースがメールやFAXで届きます。
正直に言いますと、98%は読んでいませんでした。ごめんなさい。
なぜ読まないか、理由を簡単に述べます。詳細と対処法、良い例をお伝えします。
その1 画像がない
商品や店舗の場合は特に画像が必要です。
せっかくの新商品も画像がないと、商品を店舗で買いたい、お店に実際に行きたいと思った時に探せません。そうした情報を載せてもユーザーが困ってしまうので、メディアも載せないのです。
画像のあるリリースを探し、その中からどれを取材するか選ぶ場合もありますよ。
最近はさすがに画像なしのものは少ないですが、気になるのは文字やイメージを載せたバナーしか用意していないプレスリリースです。
バナーは広告っぽく見えてしまうので、記事として紹介する際には使えません。バナー内の画像と同じでいいので、商品のみ、店舗のみで背景が無地の画像を用意してもらえると、そのまま掲載できます。
ない場合は記者が自分で実物を用意して撮影することになるため、「じゃあいいや」と取材をやめてしまうかもしれません。
撮れる現物がない内容のプレスリリースは?
経営情報や調査結果など現物がない場合も、グラフや図表をつけたり、会社のロゴだけでも添付しましょう。
紙メディアへの掲載を視野に入れているならなるべく高解像度のもの(350dpi)、ウェブ掲載のみならデスクトップのトップページに表示されても遜色のない横1920px以上の画像を用意しましょう。
PR TIMESの場合は以下の記事に詳しく書いてあります。
図表・グラフの画像がわかりやすかったプレスリリースの例です。
テキストを訴求ポイントだけに絞っており、サムネイルの小さな画像になっても見やすいです。
プレスリリースは報告書とは違います。「一つのニュースには一つのネタ」が原則ですので、不要な情報は限りなく削りましょう。
その2 問い合わせ先がない
メディアに記事を載せるためには、正しくて信用できる情報かどうかを記者・ライター自身が取材して確かめます。
プレスリリースもそれは同じ。
例えば「○月○日に新商品発売!」とリリースした後で、一部の材料が手に入らなくなり販売をやめたとします。なのにそのまま記事に載ってしまったら、買おうとしていたお客さまからクレームが来てしまいます。こうした事態がないか確かめるために、掲載前には必ず問い合わせをするのです。
販売中止のお知らせを出したとしても、記者に届いていない可能性があるんですね。
問い合わせができない情報は載せられないので、記者は取材を見送ります。メディア掲載を狙うなら、必ず問い合わせ先を載せましょう。望ましいのはメールではなく電話番号です。多忙な記者がメールの返事を待ってくれるとは限りませんよ。
SNSの公式アカウントを運用しているなら、プレスリリースのたびにアカウントも掲載しましょう。「会社はいつ設立か」「どんな商品を扱っているか」といった基本情報に加え、普段はどんな広報活動をしているかの雰囲気を見て良さそうだなと思ってもらえたら、記事化のハードルが下がります。
その3 何のリリースかわからない
- 「○○駅前にリニューアルオープン」
- 「XXXXHOTEL 開業1周年記念」
いずれも、実際に発表されたリリースのタイトルです。
2番目は「HOTEL」とあるのでかろうじて業種が分かりますが、1番は何の店かも分かりませんし、○○駅がローカルな地名のため、その地域に住んでいる人以外には通じないでしょう。
また、2番目も開業から1年経ったのは分かりますが、肝心の内容が不明です。記念式典があるのか、キャンペーンをするのかも分かりません。
サブタイトルやリードに書いているから省いたのかもしれませんが、メディアに届くメールではタイトルしか表示されません。タイトル、それも冒頭の15字くらいで関心を寄せてもらえるよう練りましょう。
長すぎても読む気を失います
あなたは大丈夫?時間・気分・成果からみるXXXXXXXXX(XXX) 2人に1人が「XXXが悪い」と自覚 ○○○では「3人に2人」に増加!~夏休みに心得たい!○○を楽しむためのXXX向上術~
実際のプレスリリースから拝借してきたタイトルです。
「XXX」はこの企業の造語と思われる聞きなれない語句です。
1000人を対象にアンケートを実施したり、専門家の監修をつけたりした本格的な調査なのですが、タイトルからは何のことかよく分かりません。結局何が言いたいのか明確に伝わらないタイトルとなってしまい、非常にもったいないと感じました。
タイトルに興味を持ってもらって初めて本文を開きます。タイトルではあまり欲張らず、「何を書いているのか」がだれにでもわかる語句を使い、シンプルにするよう心がけましょう。
短くても分かる、関心を引くタイトル
こちらも実際に発表されたリリースのタイトル。
ファミリーレストランのデニーズが創業50周年を記念して行うキャンペーンの告知です。
非常に短いタイトルですが、「メニュー」とあるので飲食関連だと察しがつきます。
何より「50円」と破格の値段に話題を絞っているので印象に残りやすく、「どこの店?」と関心を引くことに成功しています。
だれでもできるキャンペーンではありませんが、まねできる機会があれば取り入れてみてください。
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