プレスリリースのネタ探しに苦労していますか? 今すぐ配信できるアイデア5選

プレスリリースの最終目的はメディア取材・掲載ですが、練りに練った入魂の1本を出してもそれを取り上げてもらえる確率は非常に低いです。メディア側は1日に1000本近いリリースを電子メールで受け取っているってご存じでしたか。1000通のうち95%は読まれずゴミ箱に直行してしまいます(私がそうでした)。

では、プレスリリースを出すのはやめた方がいいのでしょうか? 「リリース配信料金1本3万円って高いなあ……」と感じている方もいるでしょう。しかし、リリースは(誤解を恐れずに言えば)宝くじと同じ。買ってもめったに当たらないけれど、買わなければ絶対に当たらないのです。メディア露出につなげるためには、プレスリリースを発信し続けるしかありません。配信した時は見向きもされなくても、取材したいと思われた時に過去に遡ってリリースを読むことがあります(前後賞みたいなもの)。

ところが「何をリリースすればいいかわからない」という声をよく聞きます。そこで本記事では、これから5カ月間、月に一度以上プレスリリースできるようになるネタをまとめました。リリースを書くポイントもお示ししますので参考になさってください。

目次

ミッション・ビジョン・バリュー 

ミッションは「経営理念・方針」、ビジョンは「目指すもの・目標」、バリューは「行動基準」などと言い換えられます。企業・お店・団体が何者であるか、これから何をするかを示した活動の根幹です。

以前から持っている企業でもぜひこの際プレスリリースしましょう。「今さら?」と思うかもしれませんが、世間の人は貴社のミッションなんて知りません。

(グサッ……)

普段買う商品のメーカーのミッションを覚えていますか? 大企業を含め、どんな経営理念を持っているか世間の多くの人に知られている企業なんてほとんどないのです。

Ayan

例えば、SoftbankやSONYといった企業のミッションを知っていますか? 私は知りませんでした(この記事を書くに当たり初めて調べました……笑)。

世間の人が初めて知る情報はプレスリリースに値します。さあ、今からすぐ配信の準備をしましょう。

もちろん、これまでにプレスリリースを出したことがない場合に限ります。同じ内容を何度も発信するのはルール違反ですのでお気をつけください。

ミッションなどないよーという方、そもそも必要かどうかいぶかっている方。無理に作る必要はありません。ただ、メリットは大きいので将来的には検討しましょう。

例えば、金融機関から融資を受けたり、官公庁などから助成金・補助金を受けたりする際、事業計画などの書類を提出します。ミッション・ビジョン・バリューを作成しておけば、そのまま書類に書けばいいので手間がグッと減ります。

また従業員やメンバーのモチベーションアップ、人材採用の際の訴求ポイントにもなります。ミッションが明確になれば、どんな人材が必要なのかも明確になります。難しければ、創業しようと思ったきっかけ、エピソードを思い出しましょう。

改善が必要な事例 

○○宣言をして、××を

こんなタイトルのプレスリリースを見かけました。内容を読むと、ミッション・ビジョン・バリューを紹介しています。

「○○宣言をして」の主体は誰なのでしょうか? リリースを読んだ人に対して「あなたも○○宣言をして、××を達成しよう」という呼びかけているように読めるタイトルです。

本当の主体はもちろんこのプレスリリースを発表した企業です。それが分かるようなタイトルにしましょう。

書き換え案

○○を大切にし、××を実現します 株式会社△△が宣言を発表

このように書けば、ミッションの内容も主体も具体的に分かります。

取引実績○○件達成/会員○○人突破 

動物園や博物館、テーマパークなどで「入場者100万人突破」といって該当者に記念品をプレゼントしているニュースを見聞きしたことはありませんか? 企業やお店でも”記念の数字”(KGIやKPI、重要業績評価指標)があればぜひリリースを出しましょう。

100万人目の入場者が来た時に偶然マスメディアが居合わせたわけではもちろんありません。アミューズメントパークでは平日や土日休日にそれぞれ何人のお客さんが来るか、1時間単位で把握しています。そうした傾向に基づき、100万人目をお迎えできそうな日付がわかったらメディア各社に連絡し「午前11時ごろ100万人入場を達成できそうですので30分前にはお越しください」などと取材を促しているのです。

ビジネスでも同様に、達成できそうな指標を探しプレスリリースの準備を進めましょう。ただし、虚偽の記念数字を出してはいけません。プレスリリースは公式の情報です。正確でなければ社会的信用を失います。

一般企業の場合は100万件だとハードルが高いので、成約件数1000件、5000件などキリのいい数字で、年に1度程度は発表できる指標を選びましょう。頻度が高すぎるとニュース価値が下がります。ペースが上がってきたら例えば1万件ごとにする、逆に下がってきたら別の指標に替えるなど工夫してください。

リリースには、貴社の企業概要、商品やサービスが提供する価値についての情報を加えます。また顧客の男女比がどれくらいか、年齢層はどうか、どんな点に満足しているかなど、公開できる情報を併せて紹介しましょう。プレスリリースの情報価値が上がりますし、従業員も知っておくべき内容です。

改善が必要な事例 

株式会社○○、取引実績4万2000件突破

というプレスリリースを見かけました。まず数字のキリがよくないです。4万2000という数字に特別な意味があるのならいいのですが、本文を読んでも説明は見つけられませんでした。

次に、これ以前に「取引実績○件達成」といったリリースがありませんでした。取引実績では初めての発表です。「4万件達成」でも発表できたはずなのに、なぜ中途半端な「4万2000件」で発表したのでしょう。経営者が替わったか、広報担当役員が替わったか……(実際そういう理由が多いです)。余計な勘ぐりを招きますのでおすすめしません。KPIは継続的にリリースするのが理想です。ただし、悪化しているようでしたらフェードアウトしていいでしょう。

キリの悪い数字に意味を持たせるには?

経営層の意向でどうしてもキリの悪い数値をプレスリリースせざるを得ない場合は、なんでもいいのでこじつけてみましょう。「創業42周年」「社長が42歳」「社長がラグビー県大会で優勝した時の背番号が42」……。ただし次の発表はキリのいい数字にしてくださいね。

株式会社○○が弊社商品を導入/○○百貨店で当店の品を販売

メディアに取り上げられることだけが目的ではありません。営業成果は一つ一つプレスリリースしましょう。

もちろん先方の同意を取ってください。ロゴをもらったり、経営層のチェックを2週間くらい待ったりと手間と時間がかかりますが、出す効果はあります。特にBtoB事業の場合は潜在顧客に対し「自社の商品を使うとどんないいことがあるのか」をアピールできる重要な機会です。

営業成果のプレスリリースはパターン化して大丈夫です。先方が自社商品をどのように使うのか、導入を決めた主な理由を書いてもらい、プレスリリースに載せましょう。

また、先方にインタビューをして記事にしたり動画にしたりしてプレスリリース以外のコンテンツとして活用させてもらいましょう。先方の許諾を得るのをお忘れなく。

改善が必要な事例 

そもそも自社の商品やサービスがなんなのか、また先方企業の参加で起きうる影響についても説明しましょう。それがないと情報を求めている人に届きません。

例えばこんなタイトルのリリース。

全国不動産情報サイトに○○地方のA不動産が参加

A不動産が参加したことでどんないいことがあるのかを伝えるタイトルにしましょう。

書き換え案

◯◯地方の物件情報も検索可能に! 株式会社△△の全国不動産情報サイトにA不動産が参加

A不動産に参加してもらうためにさまざまな説明資料を示して交渉したことでしょう。その際に用意した資料をかいつまんでプレスリリース本文に載せます。市場の状況がどうなのか、昨今の情勢でどのような商品・サービスが必要とされているかなど、その業界に詳しくない人に説明するために情報を追加してみてください。

 ウェブサイト更新 /新装開店

遊興店の宣伝みたいですが、違う業種でもぜひプレスリリースしてください。

大規模なリニューアルでなくても大丈夫。極端な話「ブログに新しい記事を投稿しました」「新メニューを追加しました」で構いません。ただ、書くのは少し難しいです。

なぜなら、投稿と同じことは書けないから。投稿を読むとどんなことが分かるのか? 投稿を書くに至った経緯は? 投稿を読んでもらいたいのはどんな人?といったメタ情報を盛り込みましょう。

情報商材の広告のランディングページ(LP)に例えると想像しやすいでしょうか。

 

「私が副業で年商300万円稼いだ秘訣を大公開」みたいなやつですね。

広告をクリックするとたどり着くページには「この情報を読んだ人からは『私も副業で成功しました』『驚くほど役に立ちます』とご好評いただいています!」などと、購入を促す惹句の他、前述のようなメタ情報がたくさん書いてあります。

ただ、購入させるためのLPは文章が長い(情報が多すぎる)ものがままあります。プレスリリースの場合はA4判1枚に収まるボリュームにしましょう。手間を省くにはブログの内容をコピペして、生成AIに「この文章を読みたいと思ってもらえるようにプレスリリースを書いてください」などと指示したら結構な文案が出てくるのではないでしょうか。

改善が必要な事例 

企業の採用サイトリニューアルを例に取ってみましょう。実際のプレスリリースから抜粋し改編して紹介します。

○○社、採用サイトをリニューアル 

■リニューアルの背景とポイント

事業を支え働く人の存在や温かみを感じていただけるようデザインを新しくしました。また、事業展開や業務内容、オフィス環境など当社で働く姿を具体的にイメージしていただけるよう、コンテンツを充実させました。

また、職種比率、新卒と中途採⽤の割合や、オフィスでの服装や退社後の活動など、社内文化を豊富に反映した数値データを公開しました。 

事実を簡潔に述べていますが、味気ない感じがしませんか。このプレスリリースは誰に読んでもらうのでしょうか? 

社内報告書ならこれでいいでしょう。しかし、これはプレスリリースです。まったく知らない人が読むのが前提。この会社に興味がない人にとっては「それがどうしたの」でおしまいです。

採用サイトですから、就職・転職活動をしている人に届かなければいけません。また、これがプレスリリースであることを鑑みれば、就職・転職情報メディアに取り上げてもらうのが一番効果があるでしょう。そうしたメディアには「採用サイトリニューアル」なんて情報はごまんと届いています。その中で必要としている人に届けるには、何がどう変わったのかを具体的に伝える必要があるのです。

書き換え案

育休取得率100%、服装カジュアル率99% ○○社で働く姿を解像度高くイメージできる採用サイトにリニューアル 

■リニューアルの背景とポイント

私たち株式会社○○で働くメンバーは、 温かい人柄が特徴です。これまでの採用サイトではそうした点を十分にお伝えしきれていなかったのではと考え、その点をデザインにも反映させたリニューアルになっています。○○社で働く姿を具体的にイメージできるよう、社員の顔が見えるコンテンツとデータを充実させています。

業務を通じて「自分の成長を実感した」という社員のインタビューや、 オフィスでの服装が分かる写真を20枚以上掲載していますのでご覧ください。休日はインドア派かアウトドア派かなど社内文化が分かる数値も多数公開しています。 

「リニューアルしました」「充実させました」と過去形にすると、すでに終わった、関係のない話との印象を与えます。「リニューアルになっています」「充実させています」と現在形・現在進行形にすると、今起きている話、ホットな話である感じを与えられ、「じゃあちょっと見てみよう」という気を誘うので試してみてください。

開催レポート 

開催告知のプレスリリースをせっかく送ったのに、メディアからの取材が1件もなかった……と気落ちしていませんか? 

開催告知のプレスリリースを読んで「取材しよう」と思うものはまれです。「この日は別の取材が入っている」「会場が遠い」「人繰りがつかない」……。いろいろと考えられますが、根本的な理由はただ一つ「取材に値するかどうか判断できない」から。

イベントやセミナーなどの開催予定を知らせるリリースは多いですが、実際に開いてみてどうだったかを発表するプレスリリースは意外と少ないものです。予算をかけ、念入りに準備をして開催したのですから、参加者アンケートも集めていることでしょう。社内共有だけではもったいない。ぜひ発表し、どうだったかをメディアに教えてあげましょう。

会場の様子、参加者の表情の写真は必須です(撮影・掲載許可を得てくださいね)。また、参加者アンケートの結果をかいつまんで載せます。自由回答での肯定的なコメントもぜひ載せましょう。

プレスリリースサービスなら、さまざまな提携メディアに自動転載されるのはご承知の通り。取材されて載るのと似た効果があります。また、メディアにとっては自分たちで取材しなくても記事ができたのと同じで、とても助かるのです。どんな業種の人がどんな目的で何人くらい訪れ、どんな評判なのか(WHO, WHY, HOW MANYなどの5W1H)が分かれば、次のイベントの取材可能性が高まります。

改善が必要な事例 

そもそも何のために開催したのか、背景説明がないプレスリリースを見かけます。告知の際のリリースと同様に、だれが、いつ、どこでなど5W1Hの説明は必ず書きましょう。何人参加したか、参加費はいくらだったのかなども入れます。

また、「開催レポート」+イベント名をタイトルにしたプレスリリースも散見されます。例えばこんな感じ。

【開催レポート】経営者向け◯◯セミナーを開催しました!

このタイトルで内容まで読んでくれるのは関係者だけ。世間の人はイベントが開催されたこと自体を知りません。「開催しました」の主語は貴社です。読み手にとっては他人事。「そうですか」で読むのを終了します。

読み手の関心を引くには、「あなたにとっても役に立つことなんですよ」と伝えること。自分たちを主語にするのではなく、参加した人がどうなったのかが分かるタイトルにする必要があります。

書き換え案

「今日からでも使えるスキルが身についた」参加者の9割が満足と回答 【○月×日実施のセミナー開催レポート】

このように、参加者アンケートをもとに生の声や集計結果をタイトルに持ってきましょう。特に有料講座の場合、おいそれと内容を公開するわけにはいきませんよね。でも、参加した人がどう思ってくれたのかは紹介できるはずです。

情報商材の広告LPを思い浮かべてください。読んだ人に「自分もこの人たちと同じような結果を手に入れられる」と期待してもらうのがプレスリリースの役割です。

月に一度はリリースし、認知度と最適解を求める

上記のネタを使えば、月に一度以上はプレスリリースを発信できます。配信してみた結果どうだったか、分析ツールを使った検証も忘れずに。「プレスリリースのPVは多いけれど、取材はなかった」「PVはそれほどでもなかったけれど、メディアから掲載依頼が来た」など、反響には違いがあるはずです。その上で仮説と改善を繰り返し「一般ユーザーに読まれるリリース」「メディア取材につながるリリース」などの成果を高めていきましょう。

それでもどう書けばいいか自信がない方、連続してリリースするネタがないという方。ミッション・ビジョン・バリューを作ってみたいという方。UNICLAがお手伝いしますので、まずは無料相談におこしください

また、Lancersでプレスリリース作成依頼を受け付け中です。初めての方のみ1回1万円(税抜)でご依頼いただけますので、併せてご検討くださいませ!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次